今頑張っている君に伝えたい。「僕・私が、就職氷河期を過ごして決めたこと」
2度目の4年生を経験。回り道をして本命企業と出会えた
ここ数年、内定までの道のりが長くなりつつあると言われています。また、中には最初の就活の結果に納得がいかず、卒業を見送って2回目の就活にトライする人もいるそう。一回目の経験を活かした就活で、次の年度に、自分で納得のいく内定を得た人もいます。そんな彼らが、就活を終えるまでに取った行動はどのようなものだったのでしょうか?
更新日2012/02/02

・名前:太田さん
・就活スタート時期:大学3年10月
・志望業界:総合商社・メーカー
・エントリー数:50社
・受験企業数:5社
・内定獲得:2度目の大学4年の12月

「OBに自分のPRを聞いてもらっていた」という太田さん。サークルの先輩達が集まる飲み会によく参加させてもらっていたという。「先輩たちが話していることを聞いて、働くことをよりイメージできた」そう。
「すぐ決まるだろう」という楽観が命取りに......。気が付けば周囲は内定者だらけ。
「就職活動を始めたのは、大学3年生の秋ごろ。周囲の友人たちと同じ時期か、彼らより少し早いくらいだったと思います。就活を始めた当時はどうせすぐ決まるだろうという程度に考えていました。今考えると、就活自体を軽んじて見ていたんですよね。『どこかで早く内定を取って、残りの大学生活を遊び尽くそう』って思っていました」
「就活を甘く見ていた」と、当時の自分を振り返る太田さん。在学中に2年間の海外留学経験があり、語学が堪能。「だからこそ、友人たちの中でも自分は早めに決まると漠然と思っていた」のだそうです。
「就職活動では、海外で事業展開をしている大手商社やメーカーを志望していました。しかし、50社以上に送ったES(エントリーシート)のほとんどが不合格。なんとか面接までこぎ着けても1次面接止まりで次に進めない。さらに、自分が落ちた企業に知人や友人が受かったり、まさかアイツが......と思うような、自分よりもはるかに成績の悪い友人まで次々に内定が決まったりしていきました。このままじゃいけないと思いつつも、徐々に嫌気が差し、就活自体から遠のくようになりました。その結果、ずるずる年明けまで過ごすことになり、結局どこからも内定を得られないまま春を迎えることに。親からは『何のために4年間大学に通わせて、留学までさせたんだ』ってかなり怒られましたね。そのとき初めて、このまま一生どこの企業にも入れなくなるんじゃないかって不安になり、一時はフリーターになることも考えました。あと1年大学に通って、来年こそは就職すると親と約束して、2度目の4年生を過ごすことになったんです」。
就活イベントに参加して、自分の至らなさを実感
友人たちが卒業し、社会人となっていく中で、太田さんは2回目の4年生として再出発。しかし、「今年こそは......」と思いつつも、重い腰をなかなか上げられなかったそう。
「年下だらけの就活イベントに行き後輩に会ったりでもしたら、と思ってしまって、当時は会場に向かうのがすごく嫌でしたね」。両親との約束がある手前、嫌々ながらも月に1度くらいESを書いたり、人の少なそうな合同説明会へ足を運んだりするなど、細々と就職活動を継続。先行きがなかなか見えない状況で、思わぬ転機が訪れたのは、秋に行われた就職イベントのときだったそうです。
「知人から『バイリンガルや留学生のための就職イベントがある』という情報を聞き、そこに参加して、とある大阪の中小企業の採用担当者と出会いました。僕はあくまで大手企業を志望していたので、参考程度に話を聞いておこう、というくらいの軽い気持ちで入ったブース。その採用担当者に『どんな人を採用していますか』と聞くと、『大手と違ってうちは採用人数が少ない。だからこそ、欲しい人材は即戦力になる人。1年目でも海外で過ごせるようなガッツのある人材が欲しいですね』と言われたのです。その熱意に圧倒されたのを、今でもよく覚えています。自分の仕事を誇らしげに話す採用担当者の姿を見ているうちに、自分が大手にこだわっていた理由が分からなくなったんですよね」。
そのとき初めて、自分がしたい仕事は何なのかを考えたという太田さん。「僕がやりたかったのは、自分の語学力を活かす仕事。そこに大手も中小も関係ないとやっと気付いたんです。大手企業の面接を受けていたときは『入社してから配属を決めるので、どの部署で勤務することになるかは不明』という企業が大半でした。この会社の『入社年次に関わらず優秀な人から海外へ赴任』という本人の意志を尊重するような社風にも惹かれました」。
2年目の就職活動で、ようやく「働きたい」と思える企業に出会えたという太田さん。やりたい仕事についても改めて考え直し、自分の「海外で働きたい」という思いに気付いたといいます。
「自分のやりたい仕事をするのに企業の知名度や規模は関係ないと気付き、そのとき出会った大阪の中小企業へESを書きました。本当に行きたい会社に出会えたので必死でしたね。そのとき、ふと過去に自分が様々な企業に出したESを見返したのですが、改めて自分で読み返してみても、何も響いてこない内容だったんです。例えば、『僕の長所は明るいところ』と書いてありましたが、僕は実際そんなに明るい性格じゃない(笑)。どこかの就活本を引用したような内容の薄さと事実とのギャップに、『そりゃ落ちるよな』と反省しましたね。今回の就活を通じて、"海外と関わる仕事がしたい"という思いを持ち続けた僕の長所は『自分のやりたいことを曲げない信念』だと感じたので、そのように書き直しました」。
回り道をして手に入れた、第一志望企業からの内定!
その後、作成したESを友人や先輩にも見てもらい、さらに磨きをかけていったという太田さん。また、面接に進んだ際は、友人と模擬面接を行い、当日に備えました。
「誰かにESや面接の練習を見てもらうなんて、それまでのプライドの高い自分では絶対になかった選択だと思います。その後、友人たちに助けてもらった甲斐もあって、第一志望だった会社に内定が決まりました。あの就職イベントで知った大阪の中小企業です。すごく嬉しかったですね。回り道をしたのは事実ですが、この一年のおかげで嫌な面も含めて、自分の本当の性格に気付けたと思います。一生の中で自分と本気で向き合う時間って、そうそうないと思うし、本当に納得のいく就活が出来たと今では思っています」。
自身の就活を振り返り、「もし今内定が出ていないという人は、どうしても焦ってしまう時期だと思う」と話す太田さんですが、「3月までに内定が取れれば、それがベストだと思います。ただ、最悪内定が出なかった場合でも、大学に1年長く残り、改めて就職活動をする方法もあります。金銭的な事情や家族の反対もあるかと思いますが、3月までに絶対できなければ終わりだ、などと焦る必要はないと思います」とアドバイス。太田さんは現在、入社に向けて自主的に語学勉強を進めているそうで、「入社1年目で海外へ赴任し、3年目までには一人前になるのが目標」と目を輝かせている姿が印象的でした。
(文・山本莉会/プレスラボ)


